『おばけじま』

『おばけじま』長新太
長新太さんといえばナンセンス絵本。
まさか長新太さんを紹介する1冊目の絵本がこの『おばけじま』になろうとは。
私自身は、長新太さんを解説してはいかんと思っております。
できないからです。
長新太さんはどの作品もすべからく長新太さんなんです。
この絵本もそうです。
とはいえこれではまったく本の内容が伝わりませんので、作品の紹介を。
まず、大胆不敵なこの表紙。
なんなんでしょうこれ?
顔のかたち、魚かな。おばけじまって書いてあるから、足元は海かな、とか思ったりもしますが、長さんの罠です。進みましょう。
進むと、ノコギリザメがでてきます。ノコギリザメがお話のきっかけをつくるのですが、いつものとおり唐突です。前後の脈絡はありません。いきなり長さんワールド。
山のおばけと海のおばけがでてきます。
ノコギリザメが原因で喧嘩をはじめてしまうわけです。
海と山、勝負はつかないだろうと想像できます。
やはりつかないです。

こちらです。
ついにこんがらがって、山のおばけと海のおばけが固まってしまいます。
だからどうなるのだ?という問いの答えになるのは、最後の船長さんのセリフかと。
赤・黄・白・黒。本編もこの4色のみで展開するこの絵本。この色の配色で不思議な怪しさをしっかり演出しています。
ぜひ、長さんの描くおばけをご覧くださいね。
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