『バスをおりたら・・・』小泉るみ子 作・絵

『バスをおりたら・・・』小泉るみ子 作・絵

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表紙の女の子、長い影が印象的ですね。
いつも長い長い距離を歩いて学校まで登下校している女の子。
嵐の日だって雨の日だって歩いて行きます。
行きはお姉ちゃんや友達が一緒だから大丈夫。
でも帰りはいつもひとりきり。
リコーダーを吹きながら帰ります。
お母さんは、町ではこんなに大きなはたけはできないからね。
いいうんどうだよ、がんばれ がんばれと言います。
でもある夏の暑い日、とても歩いて帰れないと思った女の子はとうとうバスに乗りました。
夢にまでみたバス。バスは速くて楽ちんで、とても嬉しそうな女の子。でもしばらくするとなんだか様子が違ってきました。いつも歩かない坂をバスはぐんぐん登り、ついにいつも家から見上げている炭坑の町まできてしまったのでした・・。
不慣れなバス、見知らぬ場所、家からはとても遠い場所。
わたし、炭坑の町まできちゃったんだ・・・。
早く家に帰らなくっちゃと、その場所から逃げるようにお母さんのいる家に向かって走り出した女の子。
遠くに来てしまったドキドキが手に取るように伝わってきます。
女の子にとって非日常の世界は心細くて不安なもの。それを詩的な絵で丁寧に描かれた本作。
お家に帰り着くまでの、ぞわぞわするドキドキ感。
ぜひ少女と一緒に味わってみてください。

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『バスをおりたら・・・』小泉るみ子 作・絵





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