『ここが家だ』ベン・シャーン(絵),アーサー・ビナード(詩)

「よるのいちにち絵本喫茶」テーマ本から

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1954年3月1日ビキニ環礁の水爆実験による「死の灰」で被曝した第五福竜丸。その事件の3年後、ベン・シャーンがルポルタージュ月刊誌「ハーパーズ」に挿絵を1957~8年に掛けて描き、その後同一テーマのタブロー作品“Lucky Dragon Series”として連作にしたものに、50年後ビナードが詩をつけた作品。2006年集英社刊。

絵本にするにあたって、ビナードはベン・シャーンがLucky Dragon Seriesで無線長の久保山愛吉を主人公にしたが、そのことについて「放射能病で死亡した無線長は、あなたや私と同じ、ひとりの人間だった。第5福竜丸のシリーズで彼を描くというよりも、私たちみなを描こうとした」という思いでいた。そこから1つの方向性がうまれ、広がりを重視して、連作以外から2点ベン・シャーンの絵を追加したとある。

ベン・シャーンの絵は活写したかのように事実をつきつけているけれど、まぎれもなくベン・シャーンの心に映り、心でつかんだ絵となっているので、事実以上の何かを伝えています。そしてアーサー・ビナードの詩が予言や祈りに似た響きで私たちにつきささり迫ってくる、そんな絵本です。

松岡正剛さんの千夜千冊でも紹介されているので、よかったらこちらもぜひどうぞ。








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