『ねないこ だれだ』せなけいこ

『ねないこ だれだ』せなけいこ

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せなけいこさんの絵本のなかでも、とりわけ有名なこちらの一冊。
表紙はタイトル ” ねないこ だれだ ” に光った目を持つお化けの絵。
とてもインパクトがあります。
そして最初のページが、もうお化けの世界の入り口なのです。
とけいが なります
ボン ボン ボン..........
(影を落とした振り子時計の絵)
こんな じかんに おきてるのは だれだ?
(暗闇に光るオッドアイ)
小さな判型の数ページしかないお話とは思えないほど、導入ページから短い言葉でテンポ良くすすみ、一気にもっていかれる展開には大人になってからもドキドキざわざわしたものです。
ふくろうに みみずく
くろねこ どらねこ
いたずら ねずみ
それとも どろぼう.....
いえ いえ よなかは おばけの じかん
あれ あれ あれれ・・・・
ここで、起きてる女の子が、
おばけにみつかってしまいます。
ドキドキですね!
そしておばけにみつかったら最後、あっという間に・・・?
女の子が最後どうなったかは、絵本を実際に読んでみてください。
(誰もが知っていると思いますけど)
私自身、小学校の低学年のときにこの絵本を両親に買い与えられ、衝撃の展開に怖くてしかた無かった本ですが、不思議と何度も繰り返し読んでしまう、気になる本の一冊でした。
豊かな感性が感じ取る、夜の怖さ。
絵本を通して小さな頃に出会っておいてよいかもなと思います。

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『ねないこ だれだ』せなけいこ



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<DVD>『ねないこ だれだ』せなけいこ



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20:34 | 絵本1000冊 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

『はじめてのおつかい』筒井頼子 ぶん 林明子 え

『はじめてのおつかい』筒井頼子 ぶん 林明子 え

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表紙をじっくり。
太陽みたいな笑顔の女の子。
ほっぺが赤くてまだ幼い。

この娘は主人公のみいちゃん。5歳。
弟に飲ませる牛乳を買うようお母さんに頼まれて、生まれて初めておつかいに出かけます。お金を持って、買うものと注意事項を覚えて、一人でお店に行ってくるなんて、みいちゃんはドキドキです。
たった一人きりの心許無さみたいなものが、いつもの道を新鮮にも感じさせるし、怖くも感じさせているみたい。お店についてからは、なかなか気がついてもらえなかったことが、みいちゃんの中でだんだん膨らみ、ようやく気がついてもらえたときに、ポロリぽろりと涙になって溢れ出ました。

家をでてから戻って来るまで、みいちゃんの気持ちの動きが丁寧に描かれていて臨場感があり、読んでいるこちらにもストレートにドキドキが伝わってきます。

牛乳を買ってくる、それだけのことがこんなに大冒険になるのもはじめてのおつかいだから。

誰でもいくつになっても、初めての経験はドキドキしますね。
大人にドキドキすることが減った人は、ぜひみいちゃんに感情移入して、初めてのドキドキ感を味わってくださいね^^

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『はじめてのおつかい』筒井頼子 ぶん 林明子 え






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『わにさんどきっ はいしゃさんどきっ』五味太郎

『わにさんどきっ はいしゃさんどきっ』五味太郎

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まず表紙です。
タイトルにあるとおり、歯医者さんとわにさんのふたり。
二人とも表情が困ったような不安なような・・・。

さて虫歯になったわにさんは、しぶしぶ歯医者さんに行くことに。
一方で、歯医者さんは、遊んでいたけど、わにさんが来たのでしぶしぶ治療にあたります。

二人は椅子に座るところから治療の最中、最後の挨拶に至るまでお互いびくびくドキドキしています。
そしてこの二人がまったく同じ台詞を言っているのに、心境はまるで違うという奇妙なやりとりが、私たち読者をめいっぱい楽しませてくれます。五味太郎さんらしい言葉遊びを満喫できる一冊です!

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『わにさんどきっ はいしゃさんどきっ』五味太郎








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『ドアがあいて・・・』エルンスト ヤンドゥル 作 ノルマン ユンゲ 絵 斎藤洋 訳

『ドアがあいて・・・』エルンスト ヤンドゥル 作 ノルマン ユンゲ 絵 斎藤洋 訳

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表紙を見ただけで、いろいろ想像してしまいます。
暗くて、並んだ椅子に腰掛けているおもちゃ(?)たち。
ケガしているみたいだけど、表情からはわからない子もいる。

さて、中を開くとそこは表紙と同じく、暗くて、しいんとしている待合室のようです。
たぶん、みなじっとおとなしく待っています。

するとドアがあいて、一人でてきた。
コトコトコトコト!

そして、一人ドアの向こうに入って行きます。

どうやら病院みたい?

そうして、一人でてきて、また一人入って・・

暗くてしいんとしている待合室。

ついにたった一人になってしまった。
ドアの向こうで何が行われているのか考えながら待つのはとってもドキドキしますね。

私にも経験があります。
病院の待合室というのは、どうして無駄にドキドキしてしまうんでしょうか。自分の番がくるまで不安と緊張感と疎外感と入り交じったあのまんじりともしない時間。
このお人形たちも一緒。たんたんと粛々とじりじりとドキドキするお話です!

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『ドアがあいて・・・』エルンスト ヤンドゥル 作 ノルマン ユンゲ 絵 斎藤洋 訳



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<大型本>『ドアがあいて・・・』エルンスト ヤンドゥル 作 ノルマン ユンゲ 絵 斎藤洋 訳








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『おなかのすくさんぽ』かたやまけん

『おなかのすくさんぽ』かたやまけん

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ぼくが まっしろい シャツ きて あるいていたら、
どうぶつたちが みずたまりで あそんでいました。

「い、れ、て」とぼくは いいました。
だけど みんな「ウー」なんていって、
みずをバチャ バチャ いわせるばかり。

こうして、男の子はどうぶつ達と一緒に戯れ遊びはじめます。
遊びに夢中になっている、どうぶつ達の躍動感、本能のまま一緒に転げ回る男の子。

生き物のエネルギーを放出しながら、身体を動かし遊ぶことの楽しさを見せられ、遊ぶことって種を越えるのだなあなんて、感心しながら読んでいくと、お話はクマさんの一言で一瞬にして変調します。

くまが こんなことを いいだしたのです。
「なんだか きみ おいしそうだねぇ。
 ちょっとだけ なめて いーい?」

↑お話のトーンが変わりました。

「ほんとうに なめるだけだよ」
とぼくは いいました。

くまは ペロリと いっかい なめました。
それから ペロ ペロ ペロッと さんかい なめると、
すばやく もう いっかい なめました。

↑もうドキドキがとまりませんね。
ハラハラどきどきです。
するとクマくんさらにこんなことを言います。

「ちょっとだけ かんで いーい?」

「ほんとうに ちょっとだけだよ」

さてさてさて、このあと男の子とクマはどうなりましたでしょうか。
そうきたか!という展開でラストを迎えるのですが、そこはぜひぜひ直接絵本を手に取って読んでみて欲しいなと思います。
片山健さんのこのお話の変調展開には脱帽しました。
よいドキドキをありがとうといいたい絵本。オススメです!

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『おなかのすくさんぽ』かたやまけん





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『おふろ』出久根育

『おふろ』出久根育

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表紙からして、ちょっとおかしい。
スーツ着用の赤白ストライプ帽をかぶったおじさんに、驚きを隠せない男の子。

このお話は、「お風呂に一人で入るのやだなあと」ドキドキしている男の子が主人公。でも表紙にもあるように、そろそろとお風呂に入ると、待っていたのは「赤白ストライプ帽をかぶったへんなおじさん」という不安的中のスタート。
いきなり何がなんだかわからない展開ですが、そのあともお風呂のなかで次々起こる異次元ワールドな出来事にハラハラどきどきしてしまいますよ。
なんだか、小1、小4の娘たちには大好評。
荒唐無稽なドキドキの展開に説明は不要ですね。
ぜひ手に取って、その ”ワールド” を楽しんでください。

さて本作、なんと出久根育さんのデビュー作です。
学研さんから2007年に復刊してもらって私たちにも読めるようになりました。

絵が秀逸です。あの素晴らしい中世ヨーロッパ風の幻想的な絵も素敵なのですが、それとはまた違う魅力がありますので、隅々まで見て楽しんでくださいね。

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『おふろ』出久根育







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『もりのおばけ』かたやまけん

『もりのおばけ』かたやまけん

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片山健さんのデビュー作の登場です。
森でいつの間にか弟とはぐれた「ぼく」。
誰もいない森のなかで、「おーい」と呼ぶと「おーい」と言いながら向こうからおばけがやってくる、大きなこだまの固まりがすーっとでてくる様子に、ぼくも読者もドキドキです。
森の影光、おばけの陰影、ぼくの心象とも言える森での出来事を、鉛筆だけで描いたモノクロの世界。
ぼくと一緒にあっという間に引き込まれてしまいますね。
夫の一番の思い出絵本だそうですが、大人になってからもずっと心に残る忘れられない本だったそうです。何年も心に残るというのはすごいですね。
本作は1969年初出で実に46年も前に発表されたものですが、2011年にハードカバーになって復刻されました。
このハードカバーの裏表紙には復刻を記念して新たなカットが追加されていますので、よかったらそちらも見てみてくださいね。

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『もりのおばけ』かたやまけん






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『ピアノはっぴょうかい』みやこしあきこ

『ピアノはっぴょうかい』みやこしあきこ

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主人公ももちゃんの、はじめてのピアノはっぴょうかいの日。
舞台の袖で、緊張しながら出番を待っているももちゃんを見ているとこちらまで手に汗にぎってしまいます。
たった一人でライトのあたったステージにあがり、大勢のお客さんのまえでピアノを弾く、とても緊張してドキドキしますね。

ところが、そんなももちゃんの足元からこねずみが話しかけてきます。

だいじょうぶ だいじょうぶ!

あたしたちもはっぴょうかいしてるの。

ももちゃんも、みにおいでよ

こねずみたちに誘われるまま、小さなドアを開けると、そこには楽しそうにバレエや手品のはっぴょうかいをするこねずみたちの姿。
緊張していたももちゃんも次第に楽しくなって来て・・

ももちゃんの緊張に最初ハラハラするのですが、そんなももちゃんをリラックスさせてくれるこねずみたちとのお話。最後は優しい気持ちになれますよ。


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『ピアノはっぴょうかい』みやこしあきこ




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『トリゴラス』長谷川集平 作

『トリゴラス』長谷川集平 作

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トリゴラスは、一人の少年が主人公。あるとき少年はびゅわんびゅわんと風が吹く中、怪獣トリゴラスが襲い来る音を聞きます。
少年はお父さん、お母さんを呼ぶけれどかけあってくれません。
そして怪獣トリゴラスは少年の大切な女の子かおるちゃんの部屋に向かって行くのです。

少年特有の内向的でセンシティブな気持ちと暴力的な衝動が突如制御不能になったかのような緊張感。短い物語の中で少年のアンビバレントな感情が伝わってきます。

長谷川さんの作品はどれも、主人公の心象風景やモノローグがものすごく魅力的で、あっと言う間にお話に引き込まれてしまいますよ。

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『トリゴラス』長谷川集平 作







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『わゴムはどこまでのびるかしら?』マイク・サーラーぶん ジェリー・ジョイナーえ きしだえりこ やく

『わゴムはどこまでのびるかしら?』マイク・サーラーぶん ジェリー・ジョイナーえ きしだえりこ やく

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タイトルを読んだだけで、いやな予感がしますね。
頭の中では果てしなく伸びるゴムが浮かんでしまって、すでにドキドキ…。

主人公の男の子。わゴムはどこまでのびるかな?って試してみることに。
片方をベッドに引っ掛けて、部屋の外へ、汽車にも乗るし、飛行機にも乗ってどんどん伸ばして、どんどん遠くへ。

ページをめくるたび、まだ引っ張るの?っていう緊迫感。
ゴムもお話も引っ張る引っ張る。

そして伸びる距離とは裏腹に、楽しくてワクワクする男の子。

わゴムはいったいどうなるでしょう?

ハラハラドキドキワクワクする楽しい絵本。ラストはぜひ手にとって読んでみてくださいね。

原題は『How far will a rubber band stretch?』


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『わゴムはどこまでのびるかしら?』マイク・サーラーぶん ジェリー・ジョイナーえ きしだえりこ やく





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